路線紹介

 

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 <阪神本線・神戸高速線>大阪梅田→西代 <山陽電鉄本線>西代→山陽須磨

頭の番号は
駅番号

S







※は、黄色直通特急(神戸三宮〜板宿間各駅停車)のみ停車する駅。
阪神本線 (特急停車駅のみ)
HS01 大阪梅田 おおさかうめだ JR京都線・神戸線・大阪環状線
阪急京都本線・神戸本線・宝塚本線
大阪市営地下鉄御堂筋・谷町・四つ橋線
HS09 尼崎 あまがさき 阪神なんば線
HS14 甲子園 こうしえん 直通特急上り一部通過
HS17 西宮 にしのみや
HS20 芦屋 あしや
HS23 魚崎 うおざき 六甲ライナー
HS25 御影 みかげ
HS28 大石 おおいし (神戸三宮発着の山陽車はここで折り返す)
HS32 神戸三宮 こうべさんのみや JR神戸線、阪急神戸本線、
神戸市営地下鉄西神山手線、海岸線
ポートライナー
HS33 元町 もとまち JR神戸線
阪神神戸高速線(神戸高速東西線)
HS33 元町 もとまち
HS34 西元町 にしもとまち
HS35 高速神戸 こうそくこうべ JR神戸線、地下鉄海岸線
(阪急神戸高速線)
HS36 新開地 しんかいち 神戸電鉄神戸高速線
HS37 大開 だいかい
HS38 高速長田 こうそくながた 神戸市営地下鉄西神山手線
HS39 西代 にしだい
山陽電鉄本線
SY01 西代 にしだい
SY02 板宿 いたやど 神戸市営地下鉄西神山手線
SY03 東須磨 ひがしすま
SY04 月見山 つきみやま
SY05 須磨寺 すまでら
SY06 山陽須磨 さんようすま JR神戸線
(須磨浦公園) (すまうらこうえん)

  山陽電鉄の電車は神戸高速鉄道が開通した1968年以来、同鉄道を介して阪神・阪急に乗り入れていましたが、1998年2月の「直通特急」運行開始以降は阪神との結びつきが強まり、2001年3月改正からは山陽電鉄側の特急の大半が「直通特急」として阪神大阪梅田へ乗り入れるようになりました。現在では、山陽電鉄線内だけで運転される「特急」は早朝・深夜に東二見〜山陽姫路間で運転されるごく一部の便だけで、ほとんどが「直通特急」として阪神区間に乗り入れます。

  現在の乗り入れの状況は上記の表の通りです。かつては山陽車が阪神大石・阪急六甲まで、阪急車が須磨浦公園まで乗り入れていました。現在、営業運転で大石を発着する列車はありませんが、実際には阪神神戸三宮に乗り入れる山陽車は大石まで回送され折り返しています。

  阪神大阪梅田を出た特急は、阪神本線内では尼崎、甲子園、西宮、芦屋、魚崎、阪神御影、阪神神戸三宮、元町に停車。(甲子園は平日朝ラッシュ時の上り一部列車が通過。)岩屋から地下線に入り、東須磨手前までトンネル区間となります。

  2009年3月20日に阪神なんば線が開業し、近鉄直通の「快速急行」が走るようになりました。このため大物〜神戸三宮間では、阪神・山陽・近鉄3社の車両を見ることができます。2012年3月以降、土休日朝の上り快速急行の一部が新開地始発となりましたが、使用されるのは阪神車両に限定されるので、神戸三宮以西に近鉄車両が入ることはありません。

  元町から阪神神戸高速線に入ります。阪神元町〜西代間および阪急神戸三宮〜高速神戸間は、神戸高速鉄道(第三種鉄道事業者)が設備を保有・管理し、阪神・阪急・山陽電鉄が「第二種鉄道事業者」として各自乗り入れ区間に籍を置き、列車を運行する形態がとられてきました。しかし2009年に神戸高速鉄道は阪急阪神ホールディングスの傘下に入り、それに伴って2010年10月から山陽電鉄は同区間内での第二種事業を廃止、元町〜西代間は阪神、阪急神戸三宮〜新開地間は阪急が第二種事業者となり、それぞれの区間を各社が(高速神戸〜新開地間は阪神が)管理するようになりました。これらの区間は以前は「神戸高速鉄道東西線」と呼ばれていましたが、この変更に伴い「阪神(阪急)神戸高速線」という扱いになり、山陽電鉄は単にそこに乗り入れるという形になっています。

  直通特急は、方向幕の種別表示が黒地に赤文字(LED表示は赤地に白文字)のものと黄色地に青文字のものに分類されます。(以下、区別の必要な部分ではこの色分けで表記します。)日中の運転間隔が阪神は10分、山陽は15分なので、時間調整の意味もあって停車駅が変えられています。元町〜山陽須磨間における停車駅は以下のような変遷を辿っています。

  1998年2月〜 直特 元町・高速神戸・新開地・高速長田・板宿・山陽須磨
  2001年3月〜 直特 元町・高速神戸・新開地・高速長田・板宿・山陽須磨
         直特 元町〜高速長田間の各駅・板宿・山陽須磨
  2009年3月〜 直特 元町・高速神戸・新開地・高速長田・板宿・月見山・山陽須磨
         直特 元町〜山陽須磨間の各駅
  2016年3月〜 直特 元町・高速神戸・新開地・高速長田・板宿・月見山・山陽須磨
         直特 元町〜板宿間の各駅・月見山・山陽須磨

「直通特急」として阪神区間に乗り入れる山陽車両 

  阪神の特急のうち「直通」でないものは、最長で須磨浦公園まで乗り入れますが、神戸三宮以西では各駅に停車し、下り列車は神戸高速線・山陽電鉄区間では「普通」と案内されます。(ただし列車の種別表示は「特急」のまま。)また、特急車が間合いで神戸三宮〜須磨浦公園間で運転されることがあり、この場合通過駅が1つもないにもかかわらず「特急」扱いで運転されていましたが、2016年3月からは「普通」になっています。

阪神側の「特急」は須磨浦公園まで 

  元町の次は西元町直通特急およびS特急は通過します。この先で阪急神戸高速線と合流して高速神戸に至ります。

  阪急方面には普通・S特急の一部が乗り入れ、阪急神戸三宮から発着。以前は阪急三宮駅を名乗っていましたが、神戸のターミナルであることを強調するため2013年12月21日に「神戸三宮」に改称。阪神三宮駅も2014年4月に同じ名称に替わりました。(山陽電鉄の行き先表示やホームの案内看板などには、まだ「三宮」と「神戸三宮」の表記が混在します。)もともと両駅とも開業当初は「神戸駅」を名乗っていたとのことで、阪急は改称前から線内では「神戸三宮」と案内していました。

阪急神戸三宮で折り返す山陽普通車 

  阪急神戸高速線は高架駅から一気に地下に下り花隈へ。その先高速神戸で阪神線に合流します。

  阪神方・阪急方からの路線が合流する高速神戸。神戸三宮まで乗り入れない山陽普通車(山陽電鉄では一般に特急が「特急車」、普通が「普通車」と呼ばれる)の多くが高速神戸もしくは新開地発着での折り返しです。

高速神戸の駅名標。阪神スタイルに 

  次の新開地まではわずか0.6kmで、阪神神戸高速線と阪急神戸高速線との重複区間となっています。新開地は2面3線駅で、乗り入れの西限となる阪急車は基本的に中央の2,3番線から折り返します。神戸電鉄線との接続駅です。

新開地にて 

  次の大開は、1968年まで山陽電鉄の起点だった兵庫駅の近く。現在のJR兵庫駅の北側駅前から出た山陽電鉄の線路は、西代までは併用軌道となっており、今では考えにくい光景ですが、3000系が道路の上を走る場面もあったようです。続く高速長田では、神戸市営地下鉄長田駅と連絡。

  1995年以前は西代の手前で地上に出ていましたが、現在では東須磨の手前まで地下化されています。同年の阪神・淡路大震災後の復旧に際して、すでに地下化工事が進められていたこの区間は地下路線を開通させることで復旧が遂げられました。震災前に存在した地上区間は復旧されることなく廃止され、跡地は県道21号(神戸明石線)および県道22号(神戸三木線)に取り込まれています。西代駅付近で県道21号と県道22号が立体交差の形で分岐しているのは、かつて県道22号が山陽電鉄の線路をまたいでいた名残です。

  西代は山陽電鉄の本社に近く、営業上山陽電鉄の起点ですが、すべての列車が直通し、直通特急には通過されてしまうという扱いです。

  次の板宿(いたやど)は地下鉄接続駅で、すべての列車が停車します。この先でようやく地上に出て、東須磨。東須磨車庫を併設します。直通特急通過駅ですが2面4線を有し、ここで折り返しとなる列車もあります。

線路北の東須磨車庫 

  昔の名残か、民家の間の狭苦しくカーブのきつい線路を進み、月見山、須磨寺、山陽須磨へ。2009年3月改正より月見山駅にはすべての列車が停車するようになりました(2008年春に開業したJR須磨海浜公園駅への対抗策と思われる)。また同改正で、西側の普通車の一部は須磨折り返しとなっています。

山陽須磨駅舎は国道沿いの商店街の一角 

  山陽電鉄線内では、基本的に並行するJR駅と名称が被る駅名には頭に「山陽」が付けられています(須磨、塩屋、垂水、明石、魚住、曽根、網干。天満はJR大阪環状線の天満駅との重複のため?)。1991年以前は「電鉄○○」を名乗っていました。

  ※これより先では、直通特急直通特急・山陽特急の違いがなくなるので、記述上すべて「特急」として扱います。

 <本線>山陽須磨→山陽明石

頭の番号は
駅番号

S


SY06 山陽須磨 さんようすま JR神戸線
SY07 須磨浦公園 すまうらこうえん
SY08 山陽塩屋 さんようしおや JR神戸線
SY09 滝の茶屋 たきのちゃや 特急一部停車
SY10 東垂水 ひがしたるみ
SY11 垂水 たるみ JR神戸線
SY12 霞ヶ丘 かすみがおか
SY13 舞子公園 まいここうえん JR神戸線、明石海峡大橋方面
SY14 西舞子 にしまいこ
SY15 大蔵谷 おおくらだに
SY16 人丸前 ひとまるまえ
SY17 山陽明石 さんようあかし JR神戸線

  須磨から明石まで、南側の海岸と北側の丘陵地が接近し、山陽電鉄線とJR神戸線が海沿いを至近距離で併走します。

須磨を出ると、海とJR線が近づく 

  須磨〜塩屋間においては、北側に山がそびえ、海岸沿いにJR線、国道2号を挟んで一番山側に山陽電鉄線が並びます。松林の中を進んで須磨浦公園へ。山陽沿線随一の風光明媚スポットで、山上の須磨浦公園へのロープウエーが発着するほか、駅前の海岸には海釣り公園もあります。直通特急以外の阪神列車は、ここ須磨浦公園で折り返します。

  山陽塩屋付近は震災での被害が大きく、5ヶ月かけて高架線として復旧した区間です。国道2号がJR線の南に移り、このあたりからは北側の丘陵地に住宅地が続いてゆきます。滝の茶屋駅は高台に位置し、ホームから海が望めます。朝の上り、夕方以降の下り特急が停車します。

滝の茶屋から須磨側を望む。山が北側に迫る 

  この先垂水にかけて、海側からJR電車線、JR列車線、山陽電鉄線の計6本の線路が傾斜に沿って階段状に併走します。一番高台を進む山陽電鉄の車窓南側には海の展望がひらけ、淡路島も見えてきて、「シーサイドエクスプレス」の名にふさわしい眺望が続きます。

  東垂水は橋上駅のかたちをとりますが、北側の出入り口は改札口よりさらに高い場所にあります。南側からだと国道2号とJR線をまたぐ陸橋を渡って登ってこなければなりません。

東垂水にて。前方に明石海峡大橋の姿 

  JR線と同じ高さまで下り、特急停車駅の山陽垂水はJR垂水駅と隣接する高架駅。浜側には垂水漁港、その西側にマリンピア神戸が位置しています。この先でJR線と少し離れて内陸側に入ります。いよいよ巨大なつり橋、明石海峡大橋が前方に迫ってきます。

  五色塚古墳のふもとを過ぎて霞ヶ丘。S特急停車駅。普通車はここで特急の通過待ちを行います。特急は霞ヶ丘に停車しないため、特急と普通との乗り換えは垂水か舞子公園で行う事になります。

  そびえる橋脚の足元をくぐって舞子公園へ。以前は小駅のひとつに過ぎませんでしたが、大橋との接続点となったのを機に橋上駅として拡張され、土休日には特急が停まるようになりました。現在では特急は終日停車しますが、S特急は通過します。淡路・四国への高速バスと連絡していますが、バス停ははるか上方。エレベーター、エスカレーターを乗り継いでゆかなければなりません。大橋と淡路島が見渡せる浜側は舞子公園として整備されています。

舞子公園駅は明石海峡大橋のふもと 

  舞子公園駅からすぐ大きく右にカーブしながらJRの線路をまたぎます。ここからは終点・姫路の手前まで、山陽電鉄線はずっとJR線の南側をゆくことになります。位置関係が変わり、浜側から国道2号、山陽電鉄線、JR電車線、JR列車線が階段状に併走します。大橋が後方へ去り西舞子、海岸沿いを進み、JR朝霧駅手前あたりで神戸市から明石市に入ります。須磨から明石まで、JR駅のあるところには山陽電鉄の駅もあるのですが、この朝霧に限っては山陽電鉄駅はありません。

JR神戸線との併走区間 

  大蔵谷から高架にさしかかり、子午線の上に立つ天文科学館最寄の人丸前、そして市街地に位置する山陽明石へとJR線と並んで進んで行きます。

  明石は2面4線の緩急接続駅で、91年に高架化されてJR明石駅と肩を並べ、市中心のターミナルにふさわしい体裁となりましたが、明石以西から神戸・大阪方面への利用者の多くが、ここでJRに乗り換えてしまいます。直通特急が頻繁に走っているとはいえ所要時間は新快速と比べものにならず、運賃面でも神戸高速線で別計算になるため割高で、通して乗るメリットが薄いためです。JR明石駅のホームには以前、「速さはJRのあかしです」という挑発的ともいえる看板が掲げられていましたが、2005年の宝塚線脱線事故後に姿を消しました。

  2009年3月改正で日中の普通車の特急待ちが霞ヶ丘に変更され、明石で行われていた特急と普通の緩急接続はなくなりました。

普通車、天文科学館の時計台をバックに。左側はJRホーム 

 <本線>山陽明石→高砂

頭の番号は
駅番号

S


SY17 山陽明石 さんようあかし JR神戸線
SY18 西新町 にししんまち
SY19 林崎松江海岸 はやしさきまつえかいがん
SY20 藤江 ふじえ
SY21 中八木 なかやぎ
SY22 江井ヶ島 えいがしま
SY23 西江井ヶ島 にしえいがしま
SY24 山陽魚住 さんよううおずみ
SY25 東二見 ひがしふたみ
SY26 西二見 にしふたみ
SY27 播磨町 はりまちょう
SY28 別府 べふ
SY29 浜の宮 はまのみや
SY30 尾上の松 おのえのまつ
SY31 高砂 たかさご

  明石を出、明石川を渡ったあたりで大きく左に曲がり、JR線と別れます。ここから西明石・土山・加古川とつなぐJRに対して、山陽は二見・高砂・飾磨方面へと向かい、終点姫路まで出会うことはありません。

  明石川を渡ったところでかつては地上に降り、国道2号の下をくぐっていましたが、西新町付近が2015年6月に高架化され、国道2号を跨ぐかたちに変わりました。西新町駅は地平時代は橋上駅舎で、上り側ホームに3番線がありましたが近年はほとんど使われておらず、高架化とともに廃止され、代わりに姫路側に引き上げ線が設置されました。

高架化された西新町駅 

  林崎松江海岸手前で地上に降ります。この先東二見あたりまでは、海から少し離れた高台を西進します。川が流れる谷の部分で少し高度を下げるため、軽いアップダウンを繰り返してゆきます。南側車窓に時折海や淡路島が見えますが、海岸に近づききることはありません。

海に近い高台を突っ切って進む 

  S特急停車駅の藤江は上り線が島式ホームとなっており、朝ラッシュ時には上り普通車がS特急や直通特急の待避を行います。中八木付近では北側に山陽新幹線の高架が近づきます。中八木駅の西側には山陽電鉄の八木総合事務所があり、その敷地に入る引き込み線が分岐しています。

中八木〜江井ヶ島間の田園地帯 

  江井ヶ島駅の南方500mほどのところには江井ヶ島漁港があります。広くはないものの砂浜もあり、淡路島や明石海峡大橋を望むことができます。住宅地や田園地を通り過ごしながら、西江井ヶ島、山陽魚住。山陽魚住駅はJR魚住駅と1kmほど離れています。

  すべての列車が停車する東二見駅。特急車と普通車の緩急接続が行われます。西側に山陽電鉄最大の東二見車両基地が備わり、運用の拠点となっています。この車庫には、日本初のアルミ車として1962年に登場した2000系2012F(3両編成、1990年引退)や、3000系のトップナンバー3000車(2017年引退)の姿もあります。S特急はこれより西では各駅に停車します。

東二見車庫には、引退した2000系のほか多くの車両が 

  続く西二見は2004年8月開業の山陽電鉄で最も新しい駅です。駅前にはイトーヨーカドーの大規模店舗が建ち、これを中核とした新拠点づくりを目指していると思われますが、まだまだ開発途上で、周辺は閑散としています。この駅のすぐ西が明石市と播磨町の境界となっています。

シンプルな西二見駅。駅前には大型店舗 

  海側の埋立地に工場群が現れ、ものものしく林立する煙突から煙が立ち昇ります。次は播磨町。播磨町内にある山陽電鉄の駅はこの1つだけで、播磨町役場が近い。再び北側に山陽新幹線の線路が沿ってきて、加古川市に移って別府(べふ)へ。この駅の前後だけ高架になっていますが、これはかつて別府鉄道(別府港〜土山・野口間 1984年廃止)を跨いでいた名残です。

別府前後では、北側に山陽新幹線の高架が併走 

  浜の宮から、新幹線の線路とは次第に離れます。尾上の松(おのえのまつ)の手前で再び線路が高架となり、すぐ地上に戻ります。これは国鉄高砂線(加古川〜高砂間 1984年廃止)をまたいでいた跡です。ここから高砂まで、かつては国鉄の線路が南側を併走しており、今も痕跡を見ることができます。加古川の最下流を長い鉄橋で渡ると、高砂市に入って高砂へ。

長い加古川橋梁を渡る3050系 

 <本線>高砂→山陽姫路

頭の番号は
駅番号

S


SY31 高砂 たかさご
SY32 荒井 あらい 特急ラッシュ時停車
SY33 伊保 いほ
SY34 山陽曽根 さんようそね
SY35 大塩 おおしお
SY36 的形 まとがた
SY37 八家 やか
SY38 白浜の宮 しらはまのみや 特急ラッシュ時停車
SY39 妻鹿 めが
SY40 飾磨 しかま 網干線
SY41 亀山 かめやま
SY42 手柄 てがら
SY43 山陽姫路 さんようひめじ JR山陽新幹線・山陽本線(神戸線)
播但線姫新線

  引き続き臨海工場地帯を浜手に見ながら高砂の町中を進みます。荒井には、2008年4月から朝夕に特急が停車するようになりました。伊保、山陽曽根とくると、加古川流域の平野部が尽きてやや山がちな地域に入ってゆきます。

伊保駅付近で法華山谷川河口近くを渡る 

  かつて塩田が広がっていたという名残で荒地が目立つ中、姫路市に入って大塩へ。海に近い雰囲気を持っていますが、海岸からはやや離れています。2面4線で特急と普通の緩急接続駅ですが、構内踏切があるためにホーム長に制約があり、上り特急は5両分しか入らないため最後部1両をドアカットしています。

  的形は的形海水浴場の最寄り駅で、海水浴・潮干狩りのシーズンにはPRが行なわれます。このあと軽い山越えにかかり、トンネルをくぐって八家(やか)へ。神戸市街の地下区間を除けば、山陽電鉄線内のトンネルはここと、白浜の宮〜妻鹿間の計2カ所だけです。

的形から八家にかけての峠越え 

  再び平野が広がります。田園地帯を白浜の宮。こちらも2009年3月改正からはラッシュ時に特急停車。最後のトンネルをくぐって妻鹿(めが)、市川を渡って飾磨へ。飾磨で接続する網干線の列車は、中央の行き止まり線から発着し、本線下り・上りの両方とホームを介しての接続が図られています。

飾磨では、網干線列車と接続 

  飾磨を出ると、直進する格好の網干線に対して本線は北側へ急カーブを描き、最後の直線へ。亀山手柄と、姫路市街地へ近づいて行きます。かつては、姫路〜飾磨港を結ぶ国鉄播但線が西側に併走していましたが、1986年に同区間は廃止になっています。

  最後に山陽電鉄線は新幹線とJR山陽本線の高架下をくぐります。2006年3月26日にJR線が高架に切り替えられるのに伴い、山陽電鉄は手柄〜姫路間を1日運休して、それまでJR線の上をまたいでいた線路を、JR線の下をくぐる線路に切り替えました。最後は東側に折れるかたちで終点・山陽姫路に入ります。

終点姫路駅。高架のホームから折り返す直通特急と普通 

 <網干線>飾磨→山陽網干

頭の番号は
駅番号

SY40 飾磨 しかま 本線
SY51 西飾磨 にししかま
SY52 夢前川 ゆめさきがわ
SY53 広畑 ひろはた
SY54 山陽天満 さんようてんま
SY55 平松 ひらまつ
SY56 山陽網干 さんようあぼし

  山陽電鉄唯一の支線である網干線(飾磨〜網干間)は、終日3両編成のワンマン車による折り返し運転で、現状では本線から完全に独立した運用となっています。飾磨の中央線を出発すると、姫路へ向け右へと急カーブを描く本線に対して、網干線はまっすぐ西進。その脇には飾磨車庫が広がります。この車庫は他の2つの車庫(東須磨、東二見)と違って留置専用で、検車は行っていないそうです。

網干線の北側に広がる飾磨車庫 

  線路は高架へと上がって住宅地の中を進み、西飾磨へ。行き違い設備のある高架駅で、日中はここで列車の行き違いを行うダイヤとなっています。

西飾磨で上下列車の行き違い 

  さらにしばらく高架線を進み、夢前川を渡ると夢前川(ゆめさきがわ)駅。これより先は網干まで地平を進みます。網干線は単線ながら、すべての駅で行き違い可能。しかも高架区間を含め、ほぼ全区間にわたって複線分の敷地が確保されています。これはこの線が当初、赤穂まで延伸することを想定して造られた経緯によるようです。延伸は結局実現せず、全駅に備わる交換設備さえ持て余している感がありますが、歴史を物語る興味深い「遺構」です。

  次の広畑は、その気になれば二面四線の駅くらい造れそうな余裕があります(実際それを想定した造りなのかもしれません)が、今ではやはり鄙びたローカル駅の雰囲気。

複線化してなお余りあるほどの敷地が確保されている 

  さらに民家の間を進み、山陽天満。日中はここで二度目の離合が行われます。あとは平松、そして終点山陽網干へ。終点まで、沿線の民家はほとんど途切れることがありません。

  網干は1面2線の行き止まり駅で、そのホームの先に駅舎が設けられています。前方には建造物が建ち並び、もはやその先の延伸は断念されて久しいのでしょう。JRの網干駅へは北へ3kmほど。

山陽電鉄の西の果て、網干駅 

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