路線紹介

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 姫路→寺前

  山陽新幹線・山陽本線が接続する一大ターミナル、姫路駅では近年在来線側の高架化工事が進められ、2006年3月に山陽本線(JR神戸線)は高架部分からの発着になりました。一方、工事の段取り上、北側改札と地続きになっていた播但線・姫新線ホームはその後も1年半余り存置され、その間播但線は東側の行き止まり式31-33番線から発着。特急「はまかぜ」は、大阪寄りの連絡線を通って神戸線へ出入りしていました。

  2008年12月22日から両線とも高架側に移り、1本のホームを播但線(東側 1,2番)、姫新線(西側 3,4番)で使用するようになりました。ただし、下りの「はまかぜ」は山陽線ホームから折り返します。

2番線は姫新4番線と渡り線でつながっている 

昔ながらの地平ホームは08年12月20日まで使われた 

  駅を出た播但線は、神戸線と分かれてカーブして高架線を進み、姫路城を取り巻くように広がる市街地の東側を北上してゆきます。山陽自動車道と交差して地上へ下り、姫路郊外へ。砥堀(とほり)から東側に市川、西側に小山が近づき、この先の山越えを予感させます。

  かつての神崎郡香寺町(現在では姫路市に統合)エリアに入り、香呂周辺では谷がひらけ、田園部を進んでゆきます。

田園地帯を進む計測車 

  溝口を出ると山林の間の切り通し部へ。ここから神崎郡福崎町へ入ってゆきます。

軽い山越えで福崎へ 

  福崎町の中心駅である福崎は、特急「はまかぜ」の播但線内最初の停車駅であり、朝夕ラッシュ時には福崎折り返しの普通列車があります。姫路から30分弱の所要時間で、姫路都市圏の北限という印象を受けます。駅周辺は比較的まとまった市街地という感じで、利用者数も姫路を除けば播但線内トップクラスです。

  福崎を出ると、両側に山が近づき、線路は市川と山に挟まれた狭い場所を進みます。

山の迫るカーブ区間を「はまかぜ」が走る 

  その谷が広がると市川町に入り、甘地。ここからはしばらく川から離れ、田畑の広がる平地部をまっすぐ北上。その先には山地が近づいてきます。

直線区間を怖いほどのスピードで突っ走る 

  平地が尽きてきたあたりで、列車は寺前へ。神河町の中心駅で、電化区間の北限となります。普通列車はすべてここで乗り換えとなりますが、寺前以北では列車の本数が減るので、接続のない列車もあります。また、特急は3往復とも停車します。

電車と気動車が出会う寺前駅 

 寺前→和田山

  この先は非電化区間となり、列車は難所・生野峠へ挑むことになります。かなり幅の狭まった市川を渡り、両側に山のそそり立つ谷間を、川とともに北上。

谷を進み、市川を渡るはまかぜ 

  民家は減り、少し谷が広がって集落が見えてきたところで長谷駅。その先で再び市川を渡ると、川と道路が沿うばかりの深い谷となります。途中、谷あいの集落を過ぎるあたりで大きくカーブし、トンネル連続区間へと進んでゆきます。

川に沿って大きく蛇行しながら登って行く 

  この最初のトンネル付近に、慰霊碑が立っています。これは、1959年に起きた脱線事故で殉職した機関士たちの慰霊碑で、これは上り列車の機関士が生野トンネル(後述)で煙にまかれて失神し、列車がそのまま暴走した末に脱線・転覆したという悲劇でした。生野峠は、SLにとって文字通り「難所」として立ちはだかっていたのです。このあたりから朝来市に移り、かつての「播磨国」から「但馬国」に入ります。

  列車は引き続き、トンネルを出入りしながら川沿いを進み、やがて谷がひらけて生野の町へ。狭い盆地ではありますが、さすがにもと生野銀山のお膝元とあり、まとまった町となっており、特急「はまかぜ」も停車します。銀山は駅から東に位置し、閉山した今は史跡となっています。

  生野を出ると、下りに転じ、すぐに生野トンネルに入ります。長さ600mほどですが、ここが分水嶺となり、これより先は豊岡・城崎方面へ注ぐ円山川の流域になります。新井(にい)にかけては下りの急勾配。逆に上り列車の場合は厳しい登り坂となり、かつてキハ58系の列車に乗った際にはノロノロ運転だったのを覚えています。この急勾配に、明治規格の狭いトンネル、そして線路の貧弱さゆえに重量級の機関車が入れないという悪条件が重なって、SL時代の難所となっていたようです。

勾配区間の築堤上をゆく 

  ひとしきり坂を下ると、あとは円山川流域の田園部となります。日本3大ねぎと賞される「岩津ねぎ」の産地であり、朝来市の特産品となっています。なお、青倉駅は棒線駅ですが、播但線内で行き違いの出来ない駅はここだけ。いろいろと立ち遅れた部分のある播但線ですが、近年では「幹線」と呼ばれる路線でさえ交換設備が縮小される傾向にあって、いまだれっきとした主要路線として機能している証しです。

  川幅の広がった円山川を右側に、遠く近くに見ながら竹田へ。駅東側に前は古めかしい家並みが連なっています。かつては急行「但馬」の一部が停車していました。特急「はまかぜ」は通過しますが、近年、竹田城が有名になって来訪者が増えたことから、一部列車が土休日中心に停車するようになりました。

竹田駅のホームには電化を訴える看板が 

  駅西側にそびえる山の頂上部に、竹田城跡があります。立派な石垣が残り、そこからの眺めは壮観。蛇行する円山川の流域を播但線が進んで行く様子が、手に取るように見渡せます。

竹田城より俯瞰、和田山側を望む 

  竹田の町を離れると、播但線は終点和田山へ向かって、最後の直線に。

列車がいるのは、上の写真の少し姫路寄り 

  最後に円山川が近づき、左に大きくカーブしながら、山陰本線に合流して、和田山駅に到着します。豊岡・福知山方面へは乗り換え。拠点駅らしく広々とし、ホームも長いものの、今となっては持て余している感があります。

長いホームの真ん中に停まる播但線の単行列車 

 

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