記載内容は2015年5月現在。
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中京新快速から、地方ローカルまで |
記載内容は2015年5月現在。
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JR東海の新型車として1999年春の改正で登場した313系。先行の311系が、もともとは中京エリアの新快速での使用を前提にしていたのに対し、313系は快速タイプだけでなくワンマン運転用の短編成も登場し、あっというまにJR東海の電化路線の大半で活躍する主力にのし上がりました。
ステンレスの車体にJR東海のコーポレートカラーであるオレンジのラインを配し、前面は白い顔に窓周りが黒という基本的なスタイルはJR東海の新型車両に共通ですが、この313系の「顔」はおでこが角ばって広いのが特徴です。
中京地区の東海道本線では主に新快速・特別快速・快速として使用され、最高120km/hの俊足を披露します。例えば名古屋を基準に見ると、新快速(または特別快速)と快速が交互に、合わせて1時間4本発着するダイヤとなっていますが、名古屋〜岐阜間では1駅(尾張一宮)に停車するにもかかわらず表定速度が90km/hを超えるなど、最高130km/hで複々線を擁する関西の新快速と比べても互角以上の速度を誇ります。最高速度ではJR西日本の新快速(223系・225系)に及ばないものの、乗り心地の安定感は勝っており、私が乗ってきた近郊形電車の中でも屈指のクオリティです。なお静岡地区にはロングシートの車両が運用されています。
一方ローカル線区のワンマン用は2両編成基本で、固定クロスシート。性能をもてあまし気味に走ります。身延、御殿場、中央西、関西線などがその活動領域です。中央西線においてはこの電車の投入が、長らく木曽路を守ってきた165系急行車両に引導を渡す結果となり、一気に近代化と合理化が進みました。
このほか、1999年から運行された中央西線名古屋〜中津川間の速達列車「セントラルライナー」には、特急に近い装備の313系(8000番台)が使用されました。「セントラルライナー」は形態としては「ホームライナー」的なもので、名古屋〜多治見間で利用する場合には、310円の乗車整理券が必要でした。ただ、多治見以東に直通する快速を差し替えたため実質的に料金割り増しになったことや、整理券方式の煩雑さなどもあり、評価には賛否両論あったようです。結局「セントラルライナー」は2013年3月改正で廃止され、現在では同区間の快速などに使用されています。ちなみにこの8000番台は最高速度130km/hに対応しています。
このように、313系は各地でニーズに応じた使い方のできる電車です。ワンパターンの車両の使いまわしとは、いかにもJR東海らしい合理的な発想ともいえますが、登場から15年以上を経てなおも増備されており、バリエーションは豊富です。
313系は2007年春までに静岡エリアの113系や飯田線などの115系を置き換えました。さらに2012年には119系、2013年には117系を置き換え、東海区間から211系以前の国鉄世代車をすべて淘汰しました。現在313系は2015年3月に電化された武豊線を含め、JR東海管内のすべての電化路線で運用されています。また、JR東海が2010年以降汎用気動車として増備を進めているキハ25形気動車も313系と共通化した車体で、外見上は酷似しており、ゆくゆくは管内全域で似たような顔かたちの車両が見られることになります。