電化進捗5(西脇市→黒田庄)

 

  記載の情報は各項の日付時点でのもので、記述は下り(加古川→谷川)の方向を基準にしています。写真はサムネイルで、クリックすると拡大写真をご覧になれます。

加古川→→厄神→→粟生→→社町→→西脇市→→黒田庄→→谷川

 

4.社町〜西脇市

西脇市→新西脇
02.12.2

  西脇市を出た線路は右にカーブして、加古川を渡ります。この区間にはまだ架線柱は立っていません。

03.9.15

  西脇市を出てカーブする部分から、架線柱が並んでいますが、鉄橋部はいまだに変化なし。

 

04.7.12

  鉄橋部を含めて架線設置。鉄橋部の架線柱は、橋脚に据え付けられる格好。

14.新西脇 (しんにしわき)
02.12.2

  西脇市からは、1日8〜9往復しか走らない路線となり、線路にも草が生えています。電化されれば、日本でも有数の「列車の来ない電化区間」となりそうです。

  この新西脇駅、まるで、民家の庭先に駅をつくりました、という風です。「新」といっても開業は大正14年。加古川線全通が大正13年とのことなので、それよりは「新」だということでしょうか。

  架線柱の大半はH形の鉄骨なのですが、たまに下写真のような円形の柱があります。まだ立てられて間もないらしく、土台部分にはボール紙のようなものが巻いてあります。

  ちなみに、上写真の駅舎の左に小さく写っている白い軽自動車は、私のです。沿線の取材は、この車に乗って行いました。駅の調査に車を使うなんて邪道だ!と思われるかもしれませんが、もし列車を使ってやるとなれば、西脇市以北だけで一日仕事になってしまいます。

 駅舎

 ホームより。すでに柱が立つ。

03.9.15

  ほとんど変化なし。しかしこの時刻表を見ると、改めて「ほんとに電化するの?」と思います。

 待合室内に掲げられた時刻表。

04.7.12

  他の駅と同様、ホームかさ上げ、上屋付け替え、スロープ設置を実施。これより先の駅では、ホームは2両編成分の長さです。現在はキハ40の単行が走るのみなので、それでも持て余す格好ですが、電化後には2両編成が入ることも想定しているのでしょう。

 2両分のホームとなると実に短い。

 かさ上げされたホーム

新西脇→比延
02.12.2

  新西脇を出ると、まもなく国道175号線の下をくぐりますが、そこから少し進むと何と、25km/h制限があります。実際に列車に乗っていると、今にも止まってしまいそうなスピードです。こんな制限が、この先あと2箇所あります。

  国道下以外には、柱が並んでいました。どうやら、駅構内や橋などの、ややこしいところは後回しのようで…

03.9.15

  この区間の状況は02.12とほとんど変化なく、R175の下は依然架線柱なし。写真は、25km/h制限区間。

04.7.12

  架線設置済み。国道175号の下をくぐる部分では、圧迫感があります。

15.比延 (ひえ)
02.12.2

  駅前は古い町らしく、割に幅広いまっすぐな道の両側に、古めかしい家々が並んでいます。駅舎もそれに劣らぬ、なかなか重厚な瓦葺です。無人駅ではありますが、地元の人々がよく手入れされているのでしょう。

  かつては交換可能駅だったようで、駅舎向かいにはホームの跡があり、木々が生い茂っています。架線柱は、そのホーム跡と線路の間に立っています。

 駅舎

 ホームにも歴史を感じるが、そこに現れた安っぽいポールが・・・

03.9.15

  ここもほとんど変化なし。架線柱に、アーム取り付け用の金具が付いたくらいです。特に西脇市以北の区間では、線路間際まで木がせり出しているところが多く、電化後は維持管理が大変かもしれません。

04.7.12

  ホームはかさ上げ、スロープ設置。ただし他の駅と違い、上屋はバス停スタイルではなく、以前からのものを改修して使用しています。

  駅舎内の、もと窓口のところに花が挿してありました。ホーム向かいでは地元のおばあさんが草取りをしておられ、ささやかな配慮が随所に見られます。

 やはりどこか他の駅とは違う貫禄を覚える。

 ささやかな飾りつけに気配りを感じる

比延→日本へそ公園
02.12.2

  引き続き、架線柱が立ち並びます。このあたりから、日本へそ公園の少し先まで、加古川が左手に近づきます。

03.9.15

架線柱が立った状態で、変化なし。

04.7.12

架線設置済み。

16.日本へそ公園 (にほんへそこうえん)
02.12.2

  東経135度の子午線と、北緯35度の交差点を「日本のへそ」と名づけてつくられた公園。加古川線で最も新しい昭和60年開業のこの駅は、加古川のほとりに立つ、ピンク色の奇抜な建造物。しかしここに列車が1日8〜9往復とはもったいない… この駅から少し離れた高台に、広い駐車場が完備されており、駅はそのおまけのような存在なのかもしれません。

 駅舎

 「へそ」は線路のすぐ近くにある。(写真の標柱の位置とは異なる)

03.9.15

  ホーム部にも架線柱が立ちました。改めて見ると、開業当初は華々しく開業したであろう垢抜けた駅も、あまりメンテナンスがゆきとどいておらず、寂れた雰囲気が強い。

ホームも荒れ気味。

04.7.12

  何と、ホームが解体されていました。「日本へそ公園駅」と壁画のように書かれた入り口(ひさし)部、ホーム谷川方端のスロープ、そして加古川方1両分のホームを残して撤去。

  これまで、4両編成が収まる長さがありましたが、現状では1両の列車しか停まることがなく、電化に伴ってホーム自体を作り直すことにしたのでしょう。現在は加古川方に残された1両分を仮ホームとして使用しています。工事期間は7月1日から9月6日までとなっており、電化までには新しいホームがお目見えすることになります。

ひさし部分を残してホーム解体工事中。

端の1両分を仮ホームとして使用。実はこれで事足りてしまう。

04.9.20

  ホームが改築され、2両分の長さになりました。谷川方にあったスロープはそのまま活用。加古川方に1両分だけ残されていた旧ホームも、工事の過程で仮組みのホームに代わったらしく、まだその状態で放置されていますが、近いうちに撤去されることでしょう。

ホームだけが更新され、そして短くなった。

08.6.16

  電化開業後も、駅そのものに大きな変化はありません。

 キハ40から125系電車に代わったが、やはり単行。

日本へそ公園→黒田庄
02.12.2

  加古川から一旦離れるあたりで黒田庄町に入ります。境界部の急カーブは、2度目の25km/h制限区間(左)。そのカーブを抜けると田んぼ地帯へ。架線柱設置はほぼ完了しています。

 

03.9.15

  この区間も変わり映えなく、まだ柱だけが立ち並ぶ状態。

04.7.12

  架線は全区間で張られました。写真は市町境界の踏み切りにて。25km/h制限は電化後も残るのかどうか・・・。

17.黒田庄 (くろだしょう)
02.12.2

  黒田庄町の中心駅で、西脇市以北の区間では唯一の交換可能駅となっています。駅前はロータリーになっていますが、駅正面にある工場の敷地に間借りしているかのような雰囲気。自販機のひとつもありません。

  駅構内には引込み線が1本残されています。見たところ、めったに使われてなさげでしたが、試験車両入線のときなどに使用されることがあるそうです。今後、電化工事車両の留置などにも使われるかもしれませんが、電化後にはどうなるでしょうか。

  駅前後の区間には柱が並んでいますが、構内にはまだ立っていません。

 駅舎

 駅を出た単行列車。

03.9.15

  まだ構内には架線柱がありません。

  なお、黒田庄は西脇市〜谷川間で唯一離合可能な駅ですが、現行ダイヤでは、営業列車同士の離合の機会は全くありません。わびしい・・・

 上りホーム側から、構内の様子。

 駅舎側に残る引込み線。

04.7.12

  2004年4月25日に、交換設備が廃止となりました。向かいのホームは閉鎖、ポイントも撤去されてしまいました。とはいえ、線路はまだ完全には撤去されずに残っており、錆びるに任されています。駅舎側の引込み線も消えていました。

  これにより、西脇市〜谷川間の区間には、基本的に1本の列車しか入れなくなりました。今回の電化が、「災害時の代替路線確保」という建前上の理由とは裏腹に、専ら合理化推進のためだという「本音」の部分が、この時期にあえて黒田庄の交換設備を廃したことに表れている気がします。

 旧上りホーム(右側)が廃止。切り絶たれた線路が寂しい。

 加古川方面を望む。引込み線のポイントもなくなり1本線に。

04.11.23

  駅舎側の引込み線が復活しています。以前は西脇市方から駅舎側へ分岐していましたが、その向きが逆になり、スイッチバックする格好となっています。

  廃止となった旧上りホームには花のプランターが置かれるなど、それなりに手入れはされているようです。しかし線路は依然撤去されぬまま、真ん中に警報装置が突き立てられ、JRのやる気のなさがこんなところにも現れています。

  この黒田庄駅の駅舎も、間もなく建て替えが始まるそうです。

 手前が復活した引込み線。本線からはスイッチバックで入るかたちに。

 枕木の間に突き立てられた警報装置。なんだかなぁ・・・。

05.6.6

  駅舎が建て替えとなりました。ここもコミュニティホール(「あつまっ亭」と名付けられているようです)併設となり、訪問時には地元の人たちが利用していました。トイレも整備されました。

  改札部にはJRの掲示板も設置され、福知山線脱線事故のお詫びのポスターが貼ってありました。

  構内の旧上り線路とホームは相変わらず放置状態。

 建て替えられた駅舎。

 「黒田庄駅」の看板は、旧駅舎からの流用っぽい。

 構内のようす。

08.6.16

  3年を経て再訪問した黒田庄駅の様子は、ほとんど変化していません。旧上り線路は相変わらず撤去されることなく残っています。おそらく、何かのきっかけがない限りはそのまま放置されてゆくのでしょう。

  さて、西脇市寄りの引き込み線ですが、今回改めて見てみると、そのまま列車が出入りすることはできない形のポイントであることに気づきました。多分、工事車両だけが移動できる形状なのでしょう。

 本線から引き込み線への分岐部。左は旧上り線。

6.黒田庄〜谷川

 

 トップ > 西兵庫の鉄道 >JR加古川線 > 電化進捗5