2002年度より行われてきた、加古川線の電化、およびそれに伴う施設改善工事の状況を、各駅・各区間の紹介とあわせてレポートします。
記載の情報は各項の日付時点でのもので、記述は下り(加古川→谷川)の方向を基準にしています。写真はサムネイルで、クリックすると拡大写真をご覧になれます。日付文字の赤いものは、電化開業後の様子です。
なお、2003年9月時点での進捗状況をパーセンテージで示したものを、トトロさんよりお寄せいただきましたので、こちらで紹介させていただいています。
2002年度より行われてきた、加古川線の電化、およびそれに伴う施設改善工事の状況を、各駅・各区間の紹介とあわせてレポートします。
記載の情報は各項の日付時点でのもので、記述は下り(加古川→谷川)の方向を基準にしています。写真はサムネイルで、クリックすると拡大写真をご覧になれます。日付文字の赤いものは、電化開業後の様子です。
なお、2003年9月時点での進捗状況をパーセンテージで示したものを、トトロさんよりお寄せいただきましたので、こちらで紹介させていただいています。
【交換可・有人・みどりの窓口】
加古川線の起点。山陽本線との接続駅。駅周辺の高架化工事が進行中。
加古川線のホーム(5,6番線)は、山陽本線のそれとは完全に独立しており、列車の乗り入れもありません。現在は仮ホームが使用されています。かつては姫路寄りに、加古川線の車両を管轄する加古川鉄道部がありましたが、高架化に先駆けて厄神に移転しました。
山陽本線は03年5月より高架線に切り替えられる予定で、その後、現在の山陽線仮ホームの位置に、加古川線の高架ホームが着工されることになります。完成予定は加古川線の電化と同じ、2005年春です。
駅舎(02.3.21) 味のある木造建築も高架化とともに消える
加古川線ホームの様子(02.8.6撮影)
山陽本線下りホーム(1,2番線)が高架上に移転。上りホーム(3番線)も移転間近です。この切替後、山陽線地上ホームが取り壊され、その場所に上り4番線と加古川線ホームが作られることになります。
山陽線は高架上に移転し、地上部はすでに撤去、新たな高架部分の工事が行なわれています。一方、加古川線のホームはそのままの位置。
跨線橋が使えなくなったため、加古川線ホームから山陽線ホームや駅南口へは、ホーム西端から仮設通路を通り、大きく迂回して行かなければならなくなりました。
駅コンコースに置いてある完成予想の模型によると、以下のように、南側から山陽線下り、山陽線上り、加古川線、それぞれの島式ホームが設置され、合計6線の駅となります。加古川線の西側は行き止まり。東側に4番線から加古川線への渡り線が設けられますが、この配線(山陽下り線から加古川線ホームへの直接進入ができない)を見る限り、営業運転における相互直通はなさそうです。
加古川線ホームより
もと山陽線ホーム部分で、高架基礎の工事中
残る高架部分がおよその姿を現してきました。現在加古川線仮ホームの隣で建設の進んでいる部分が、新たな加古川線ホームとなるはずです。そして駅東側で、山陽本線から分岐して北へ向かう加古川線の高架部もすでにできあがってきています。
駅北側一帯においても、大規模な区画整理が進行中。古い家並みがなくなってアパートやマンションが建ちだしています。
新駅全面開業まで4ヶ月となり、高架部分はできあがりました。加古川線ホームが姿を現し、線路もおおかた敷設されているもよう。まだ4番線となる部分にパネルがめぐらされているため、山陽線側から全容を見ることはできませんが、線路の配置は下のようになるようです。
以前の予想図と変わっている点として、加古川線5番線へは、大阪方からも、姫路方からも出入り可能な配線となっています。実際に行なわれるかはともかく、加古川線から山陽線への直通の可能性は残されました。
高架下のコンコースが部分的に完成し、改札、みどりの窓口、旅行会社の代理店が、駅舎から高架下に移動しました。大阪の桜島駅から移築されたという木造の古風な駅舎は、鉄板で囲われ、これから解体されるようです。
ついに役目を終えた駅舎(手前)。屋根に埋め込まれていた時計も撤去
3番線から大阪方を望む。左に分かれてゆくのが加古川線の高架
駅北側。加古川線ホームとなるところに門形アーチが並ぶ
コンコース。北側はまだ塞がれており、加古川線案内のパネルを展示
まだ4番線にはパネルがめぐらされていますが、加古川線には架線が張られ、ホームもほぼ完成しているようです。4番線は、丁度架線を張る工事をしている最中でした。加古川線の分岐するポイント部でも、何かの工事をしていました。出発信号機も設置済み。
もと駅舎のあった部分は更地となりました。高架駅の外装は、かなりできあがってきていますが、北側はまだ工事が盛ん。仮ホームから列車が発着するのも、あと2ヶ月弱となりました。
駅南側。外観が整ってきた。旧駅舎は跡形もなくなった
加古川線新ホーム。山陽線のより狭いホームだが、待合室が設けられる
大阪方。加古川線にも架線が張られた
加古川線仮ホームより。高架駅北側も完成に近づいている
4番線にめぐらされていたパネルが一部撤去され、加古川線ホームの全容がようやく見えるようになりました。狭いホームですがエレベーターが設けられ、また案内板などもすでに設置されています。
前週に工事中だった4番線の架線もすでに張られ、残る工程は少なくなってきました。なお、加古川線ホームから谷川方への出発信号を見ると、5番線のほうは1つ(加古川線方面のみ)ですが、6番線のほうは2つ(加古川線/山陽線方面)となっています。つまり、5番線から大阪方へ出入りすることはできないということです。(逆に姫路方では5番線だけが出入り可能となっています。)
加古川線ホームのようす。もう使用できそう
大阪・谷川方を望む。4番線の架線設置も仕上がった
高架駅全面開業まであと1週間。駅周辺は工事による雑然とした状態が続いていましたが、それもようやく片付いてきて、新駅の全容が見えてきました。もっとも、12月19日以降も、加古川線仮駅の撤去などがあることから、きちんと落ち着くまでにはもう少し時間がかかるでしょう。
特筆すべき点として、加古川線ホームへの上がり口に中間改札が設置されることになりました。みやほん様が掲示板に寄せてくださった情報によれば、日岡、神野、厄神への利用者が事前精算するための精算機が置かれ、ICOCAやJスルーの使用も可能となるそうです。加古川での乗降者を含め、加古川線利用者には余分の手間を強いることになりますが、不正防止と、ICOCA利用による利便性の向上には役立ちそうです。
神戸線4番ホームにめぐらされていたパネルは完全に撤去され、加古川線のホームが完全に見渡せるようになりました。まだ待合室内にベンチが設置されていないなど、最終的な仕上げを残す段階のようです。なお、4番ホームについては、すでに乗車位置表示が書き込まれています。
ちなみに、駅改札部および5,6番ホームに設置されている加古川線の電光掲示板には、「種別」の欄があります。期待された快速の設定は、今回の電化ダイヤではありませんでしたが、将来的な可能性はゼロではないようです。(単に掲示板の仕様なのかもしれませんが)
南側はほぼ完成の姿に
神戸線と加古川線の間には中間改札が設けられることに
4番線方から、完成間近の加古川線ホームを望む
12月19日に電化開業して以来初の訪問。まず、北側道路からコンコースに直結する北口が開設されました。この部分は18日まで、加古川線の仮ホームがふさぐかたちになっていましたが、18日の最終便出発の後、出入り口部分だけホームと線路を撤去する工事が急ぎ実施されたそうです。屋根部分は残っていることから、かなりの突貫工事だったことがうかがえます。それ以外の部分では、ホームや線路もそのままでしたが、駅名標や蛍光灯などの付属品は取り外されて山積みになっていました。
中間改札は自動改札6基+有人改札です。その横には、日岡〜厄神の3駅それぞれのための乗り越し精算機が設けられました。神戸線側からこの3駅に向けて乗り越しをする際、またはICOCA等を利用する際には、ここで事前精算をしておき、発行された「出場証」で中間改札を通ることができます。(ICOCAで試してみましたが、ポケットのようなところにカードを差し込み、しばらく置くと、残高が引かれて出場証が発行される仕組みでした。)これ以外の駅に向かう場合は、有人改札での精算となります。
新調された加古川線高架ホームは幅が狭く、エスカレーターは人一人がやっとという幅で、大きな荷物を持つと厳しそうです。
なお、神戸線上り4番線は、現時点ではまだ使用されていないようです。2005年3月改正からの使用開始となるもようです。
新設された北口。旧加古川線の線路とホームがここだけ切断されている
閉鎖された旧加古川線ホーム
中間改札脇に設けられた、厄神・神野・日岡用精算機
中間改札(手前が加古川線、奥が神戸線側)
神戸線上りホームと加古川線ホーム。新快速と125系単行
加古川線ホーム。エスカレーターの幅の狭いこと
加古川を出るとすぐ左へ大きくカーブ。旧高砂線の廃線跡が右に分かれます(1枚目)。加古川駅北側一帯は、駅高架化に合わせて大規模な再開発中で、道路の付け替えが進んでおり、廃線跡もなにやら工事中。近いうちに痕跡も消えてゆくことでしょう。
加古川バイパスのガードをくぐるあたりまで、線路の高架化工事に備えて、線路右側に用地が確保されています。途中には、プレハブの事務所も。(2枚目)
加古川バイパスを越えると、架線柱が立ち並びはじめます(3枚目)。まだまっすぐな柱が立っているだけで、ほかにはなにも付いていませんが、電化後のイメージに一歩近づいた印象です。
加古川駅から加古川バイパスガード下までの高架区間では、橋脚部分が姿を現してきました。ガードをくぐった先からは、架線が張られています。
加古川駅〜加古川バイパスの高架区間が、できあがってきました。従来の線路の進行方向右側に、真新しい高架橋が連なります。
加古川駅〜加古川バイパス間には架線柱設置(柱のみ)。線路は敷設されているもよう。現在の線路とは、ちょうど加古川バイパス高架下で合流します。今後、試運転が始まるころには、ポイントが設置されるのかもしれません。
高架から地上へ降りる部分にかけて、架線が張られ、あとは線路さえつながれば、電車が入れるようになりそうです。
12月19日の電化開業と同時に高架に切替となりました。神戸線と分かれて左へ曲がり、開発の進む駅北エリアを見ながら徐々に高度を下げてゆきます。高架部分は高規格の線路ですが、地上に降りたとたんにローカル線規格となって揺れが激しくなり、格差は歴然としています。下写真は電車内から撮影。
【交換可】
地理的には加古川市街の北端にあたる位置。交換駅ですが、無人。駅の前に見える小高い丘は「日岡山公園」として整備されており、駅前に案内看板があります。構内は電化工事(架線柱の設置)未着手。交換可能駅の場合は、ホームに手を加える必要が生じることから、とりあえず後回しになっているようです。
木造の小さな駅舎、4両が限界の短いホーム、古い家の建てこんだ狭い駅前道路。この日岡から始めて、加古川線の駅のスタイルは、たいていこのようなものです。
駅舎。乗降はそれなりに多そうだが、無人でひっそり
ホームに着いた列車。まだ非電化区間そのもの
ホームにも架線柱が設置されました。鉄骨を門形に組み合わせた簡素なものです。上り線の側にだけ、架線も張られています。
今後、電車の乗降口の高さに合わせるため、各駅でホームのかさ上げが行なわれます。これに先立ち、駅舎に付属していた上屋(改札部のひさし部分)が撤去されています。
ホームより。上り線側だけ架線張り済み
駅を出てきた単行気動車
ホームのかさ上げ、架線設置は完了。ホームのひさしはカーポートのようなタイプに。
日岡を出ると、一旦加古川沿岸に出て併走、その後住宅地の間を進みます。一部分を除いて、架線柱設置済み。
日岡から引き続き、架線が張られており、神野手前まで続きます。
日岡から神野まで、全区間で架線が張られました。
【交換可・有人・みどりの窓口】
駅周辺は集合住宅も立ち並び、沿線では最もひらけた印象を受けます。利用者数も、加古川を除けば線内最多。ただし、駅舎側は旧来の街で、駅前の道は非常に狭い。逆に、駅舎の反対側に広いスペースがとられ、一見すればそちらが正面のような雰囲気です。(下写真)
小さな駅舎ですが、駅員配置駅で、みどりの窓口もあります。線内でみどりの窓口がある駅は、両端の加古川・谷川を除けば、ここ神野と、西脇市の2駅のみです。構内は電化工事未着手。
駅舎。有人駅らしく、入り口にしめ飾りが
駅舎の反対側はだだっ広い
日岡と同様の、門形の架線柱が立ちましたが、架線はまだ張られていません。駅内には、ホームかさ上げの告知が。
ホームのかさ上げ、構内の架線張りが完了。この駅の場合、ホームの長さに余裕があるのか、厄神側の1両分ほどの長さの部分がかさ上げされずに残っています。
東側跨線橋より。手前側のホームの一部がそのまま
駅西側。架線下で白煙を上げて出発する気動車
神野駅には、安全側線が設けられる計画です。安全側線とは、複線から単線への合流部に行き止まりの側線を設け、万一列車がオーバーランした場合に、対向車と衝突しないようにするためのものです。これにより上下線列車が構内へ同時進入できるようになるそうですが、まだそれらしきものはお目見えしていません。
ホームの様子
西脇市方面を望む。ホームの端からポイントまでが長い
上り線の安全側線が加古川方に設置工事中。現在ポイントが設置され、側線用のスペースが整地された状態です。下り線は未着手。この安全側線の完成は来春だそうです。このことからして、加古川線の本格的なダイヤ改正は来春になるのではないかと推測されます。
加古川方に安全側線用の土地が整備された
分かりにくい写真ですが、安全側線用のポイントが設置されています
加古川方の安全側線は完成しています。しかし谷川方は未着工。ただ、側線用のものと思われるレールが準備されており、近いうちに着工されると思われます。この3月の改正では動きのなかった加古川線ですが、この工事が済んだ後に変動があるのかもしれません。
神野〜厄神間にもすでに柱が立ち並んでいます。直線区間を経て、厄神駅手前で、一旦柱は途切れます。
神野を出ると架線区間が再び始まり、直線区間の途中まで続きます。その先、厄神までは柱だけ。
全区間、架線設置済み。
下の写真に注目。県道383号踏切から厄神側のカーブ区間に、現在45km/hの速度制限がありますが、その前後に、新たに立ったと思われる制限標識が。今は黒いカバーがしてあります。45制限の前後に新たに制限を設けるのか、制限自体を変更するのかわかりませんが、仮に後者であれば、神野〜厄神間で若干の時間短縮を見込んでいるのかもしれません。
同様の標識はあちこちに出現しており、神野の安全側線設置工事も控えていることから、ダイヤ変動の布石とも考えられます。
※これらの標識は後日、結局幕を外されることもなく撤去された模様です。恐らく、05年4月の尼崎脱線事故を機に、安全対策の見直しを余儀なくされ、「速度向上」の計画は白紙撤回されたのでしょう。
【交換可・有人】
加古川市の北端に位置する厄神駅。加古川駅の高架化に先立って、加古川線を管轄する加古川鉄道部が移転してきて、駅もりっぱな橋上駅(加古川線内では唯一)となりました。これに伴い、駅南側からも出入りできるようになりました。
第三セクターの三木鉄道は3番線からの発着。JRとは線路が分断されているものの、ホームの構造的に、つなごうと思えばすぐにもつなげられるようにはなっています。
厄神を出ると、三木鉄道が直進するのに対して、加古川線は左に大きくカーブ。そしてその中間に、加古川線車両のねぐらとなる加古川鉄道部の車庫があります。ここができたのは電化正式決定の前でしたが、3枚目の写真のように、当初から架線柱が備わっており、電化を念頭に置いていたことが察せられます。
列車はここから先、半減し、日中1時間ヘッドの運転となります。厄神駅構内から、加古川橋梁までは、まだ架線柱は立っていません。
駅構内のようす(02.3.30) 右側が三木鉄道ホーム
橋上駅となっている駅舎。加古川鉄道部を併設
駅東側にある車庫
駅構内およびその周辺には、まだ架線柱も立っていません。なお、下写真の手前に写っている草に埋もれた線路は、加古川線本線から分岐し、三木鉄道ホームへと続いているものです。三木鉄道の線路とは分断されているものの、ホームの一部にかかるかたちで伸びており、電化の際にこの線路がどうなるのか、興味が持たれるところです。
駅構内、前後区間(車両基地への引き上げ線を含む)にも、ようやく架線柱が姿を現しました。ただし、三木鉄道ホームへ伸びる引込み線は電化に含まれない模様。この線路がこのまま存置されるのか、ますます謎です。
構内にも柱が設置済み
駅東側より。架線柱が実に安っぽく見える
ついに厄神駅構内にも架線が張られました。ホームでは、かさ上げ工事と思われる工事が進行中。
上りホームで工事中。三木鉄道ホームとは段差ができてしまうのか?
谷川方、車庫手前まで架線が張られている
ホームかさ上げができあがっていました。